2018.3.26 第23話

チェンソーアート

アートというほどではないけれど、オブジェを作ってる?作り始めたというという方が正しいか。先週末、丸太をチェンソーで荒取りし始めたばかりなのだ。デスクワークへの影響も考えて、一回の作業時間は、1時間くらいにしておいたほうがよさそうだが、チェンソーの切れ味、音、木の匂い。男らしいpapaなのだ。
 
お米農家さんに、依頼された木の看板とシンボルキャラクターデザイン。当初は、トリマーで彫り込んで、着色しようとの考えで進んでいたのだが、どうも平面での表現では面白くない、立体にできないか?と考え始めてしまった。しまった?。北欧では農家の守り神・妖精としてのシンボルなので、もっと確かなもの。形があるものにしたかった。仕上げ前には、農家さんの家族の方達にも鑿(ノミ)を入れてもらおうと思う。
 
知り合いの木材会社に相談したところ、針葉樹ではなく硬めの広葉樹がいいだろうとアドバイスを受けた。楡(ニレ)のどんころ(丸太)が用意できそうとのことだ。直径40cm、高さ60cmが必要なのだが、乾燥された丸太などはないので、「背割り」をお願いした。生木はその重量のほとんどが水分なので、水分が抜けて行くほどに痩せたり割れたりする。その割れを最初から芯に届く状態での割れ目を入れておくわけだ。
 
用意ができたとの連絡がきた。papa:「僕の車に乗りますか?」副社長:「んん〜〜んど〜うかな?」見に行ってみると、乗用車に乗るような重量ではない。それと、問題は、「背割り」が浅すぎて曲がって入ってる。papa:「これでは意味がないので、やり直していただけますか?」
 
二転三転して、やっと丸太を届けていただいたのだが、一人では動かすことすら大変だ。いったいどうなることやらと思いながらも、あるイベントで見た「チェンソーアティスト」のパフォーマンスを思い出した。径40〜50cm、高さ1mほどの丸太を、幾つものサイズ違いのチェンソーを駆使しながら、アート作品を作り出していた。
 
あんなことはできないが、時間をかけてゆっくりならできるかもしれない。チェンソーで少しづつ刻んでいこう。太陽を浴びながら、ひと突き一突き鑿(ノミ)を入れていこう。グラフィックデザイナーという範疇をまたもはみ出してしまっているが、この春、また新たな境地を見出せそうだ。愉快!愉快!
 
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