2018.4.9 第25話
大切なものには「お名前」を。
先週描いた手帳の絵は、じつは二代目。
初代は、もう少しシンプルで赤茶の革のものだった。周りが黒ばっかりだったものだから「少しはずした」色にした。リングも小さめの18mm(現在は30mm)でその分厚みもなく、楚々としていた。
ボールペンも、鼈甲もどきの柄でおしゃれだった。このペンも、個人表彰で電通からのプレゼント。当時は、個人ではなかなか購入できなかったのか?企業によっては、万年筆だったり、時には高価な腕時計だったりと、そういえば、父もたいそう、色々頂いていたように記憶する。
そんなんで、話は戻るが「初代手帳」。初めて手にしたシステム手帳。嬉しくて、自宅に持ち帰って少しミンクオイルを塗ってみたり、布で磨いてみたり、お酒を飲みながら撫で回していた。
子どもたちにも、「どうですか?どうでしゅか?」酔いが回りながら自慢していたように思う。1992年、愛ちゃん8才。優ちゃん4才。
小学2年生の、愛ちゃんの持ち物には、全部「おなまえ」が入っているのだ。優ちゃんも保育園の年中さん。自分の保育園バックにも名札が付いている。
優ちゃんは考えた。「パパがこんなに喜んでいる。ゆうが『おなまえ』を書いてあげようと。」「だいじ、だいじ。パパが無くさないように、消えないように。」
手帳を食卓に置いて、パパがうとうとしている時だった。優ちゃんが、太いマジックでなまえを書いてくれた「パパの!」
パパ:「をっ?うぁ〜〜〜!」
ゆう:「んぐうぁ〜〜〜ん!涙、涙、涙」
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