2018.4.16 第26話

papaの「だいじ」をピッカピカに。

バカラオールドファッションアルクール。
パパのだいじなロックグラス。パパは毎晩お酒を飲みます。まずは、ウィスキーのロック。毎日なのであまり高価ではない白角。本日の仕事を終えて、2Fのオフィスから降りてきて、〆に。夕日を見ながら、TVを見ながら。もう20年は続いているかもしれない。休肝日を。と思いながらも、ほぼ、365日。
 
出張が多かった以前の会社。たしか、十数年前?手帳を読み返してみると、2003年の8月末。大阪、福山(広島)、松山、福岡博多。それぞれのパートナーショップを周っていた。デザイナーでありながら営業的な仕事もしていたのだ。家具メーカーでカタログを作り文章も書いていたので、木の説明や家具の説明、販促ツールやディスプレイのアドバイスもしていた。
 
大阪から入って、4日目の福岡。それぞれのショップのオーナーからの接待にも疲れ、「今夜は一人でホテルで飲もう。」と。備置きのグラスは素気ないので、女子ではないが「自分にご褒美でも?」と、博多のデパートのバカラショップにフラッと入った。
 
黒のタイトスカートに細身のジャケット。楚々とした店員が丁寧に説明してくれた。バカラグラスの代名詞ともいえる「アルクール」シリーズ。王侯貴族の支持も得て軌道にのり始めた頃。アルクール侯爵家のためにデザインされて作られたところから始まり、今も人気が衰えることなく続いている不朽の傑作だそうだ。
 
ま〜、講釈はどうでもいいのだが、とても気に入っている。7面カットでしっくり手になじみ、しっかりとした重みがある。だが、十数年も毎日使っていると、くすみも出てきていた。マドラーでの細かな傷か、氷か、クリスタルの経年変化か?
 
ママは考えた「こんなにパパの大事だいじなグラス。ピッカピカにしてあげよう」と。色々試したけどなかなか透明感が出てこない。「重曹で磨くといいらしい?」
 
キュッキュッキュッキュッ!カッ〜ん!ガッシャ〜〜ン!!!!!!!!
 
パパ:「んをっ?うぁ〜〜〜!」
ママ:「・・・・・・・・・・」
 
で、バカラアルクール。今は二代目。笑
 
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