2018.8.13 第43話
すぐれものシリーズ「ふく井ホテル」
北海道帯広の「ふく井ホテル」。前職場の初期の頃からお世話になって、20年を超えたと思うが、ここのホテルは素晴らしい。
20年前、最初に予約したのは電話だったと思うが、宿泊のフロントに行って名前を告げた。「はい。田中様、307号室でございます。」キーをもらって部屋に荷物を置いてフロントに戻ると、別の女性が、「行ってらっしゃいませ。田中様。」えっ?食事を終えてホテルに戻ると、また別の男性が「おかえりなさいませ。田中様。」初利用の客の名前と顔を、少なくともフロント全員で共有してるのだ。キーをもらった時に確かフロントには2人しかいなかったのに。
三ヶ月後に再度訪れた時は、名前も告げてないのに「田中様、前回と同じお部屋をご用意しましたがよろしいでしょうか?」えっ!三ヶ月前に初めて一泊しただけなのに覚えてくれている。このホテルのシステムと教育は一体どんなことになっているのだろう!?素晴らしく気持ちがいい。
素晴らしいのは、さらに「このふく井ホテルの朝食」。papaは、前職場から今も、仕事柄全国を一通り赴いている。ほとんどがホテルで、朝食はバイキングだが、ここはお膳。間違いなくナンバーワン!だと思う。
先週も一泊して、楽しみにしていた朝食をいただいた。和定食、洋定食、コンチネンタル(フルーツたっぷり)、中華朝がゆ。とあるのだが、今回papaは和定食にした。前日から、明日の朝食は和定食と決めて、夕食はお肉をいただいた。
2Fのレストランに行って、「今日の和定食の魚はなんですか?」と尋ねる。「サバですが大丈夫ですか?」と。待たせることなくお膳が運ばれてきた。お膳以外にも、コーヒーやジュース類の飲み物はもちろん、サラダ、納豆、海苔、梅干し、時には黒にんにくなど、自由に頂ける。
普段は食事の写真など撮らないが今回は「パパスデザインの素」で書こうと思っていたので、iPhoneでパシャ!
サバの照り焼きに大根おろし、ゆで卵を細かく切ってブロッコリー和え、ミニ土鍋にアツアツの肉じゃが、めかぶ酢にすり生姜、切り干し大根に揚げかまぼこ、きゅうりのお漬物、豆腐とわかめのお味噌汁、小さなおひつにご飯。
ご飯の量は、お茶碗一杯分に+二口ぐらい。鯖をほぐして皮と一緒に大根おろしで頂く。肉じゃがミニ土鍋の中でアッツアッツだ。めかぶと生姜少しお醤油をかけて。切り干し大根と揚げかまぼこに人参、お出汁も効いていてあぶらみも感じるので、舌触りがとても滑らかな切り干し大根。お漬物塩加減がちょうどいい。ご飯とお味噌汁はお代わり自由だ。最後に、梅干も二つ頂いて、「梅はその日の難逃れ。」と心の中でつぶやく。ごちそうさま。
とりわけ特別なメニューなわけでもなく、ごくごく一般的な朝の和定食なのだが、一つ一つのお料理の量、温度、味付けのバランスがとてもいい。ちなみに、連泊して二日続けて洋定食を頼んだ時も、初日はオムレツだったが「昨日と同じメニューになるので卵はスクランブルにしましょうか?」と。
フロントマンたちに感じた心地よい「気遣い」が、このホテル全体に行き届いている。お料理ってそういうものなのだな〜と。
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