2017.10.23 第1話

福田繁雄(ふくだしげお)作品集

小さなとき(小学校低学年)からポスター展などでは「賞」をもらっていたが、それがデザイナーを目指したきっかけな訳は無く、父親の「法治国家なのだから法学部に行きなさい」とか「飛行機の一級整備士はかっこいいぞ」とか言う個人主義的論理に対して、何となく探していた「自分は何がしたいのか?」。
 
言うまでもなく大学法学部の受験に失敗。浪人のときにふとしたことで目にした「福田繁雄作品集」が、何となく探していた「得意なこと」から「意味と価値あるやりたいこと」を見つけた様な気がした。
 
ライフルの弾が逆に銃口に向かっているシンプルなイラスト。木ねじの先が二股に分かれていたり。ひとつのオブジェが見る方向で全く別のものになるなど、騙し絵というか、トリックアートというか、、、。日本のエッシャーなどと呼ばれていたが、自分にとっては単にトリックアートではなく、世間に対しての強いアンチテーゼに感じたのだ。「銃弾を放った者へは必ず戻ってくる」「見かけは必ずしも真実ではない」「もの事は一方方向から見てはダメだ」
 
まだ若かったが、この世の中の「既成概念」や「大人の常識」「慣習」というものに対して、小さな一石を投じることが「デザイン」で出来るのではないかと。二十歳の春かな?
湖に波紋を起こすことは出来たのだろうか?
 
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