2018.4.23 第27話
もうちょっとだけ。のこころ。
先週の日曜日。16:00
ママ:「パパぁ〜〜!!下水詰まってる〜〜!」
パパ:「なにぃ〜〜〜〜〜!」
洗面台の下、逆流した水が床を濡らしている。排水管が詰まったのだ。この家に住んで21年。3度目のことだ。また、油カスが固まって詰まったのだろう。
papa宅は、「合成洗剤」なるものは使わない。30年前からそう決めた。カヌーをやり始めた頃、川を漕いでいて生活排水のことを考えた。子供達が軽いアトピーだったこともあるが、「自然由来」石けんを使っている。川に流しても、その油カスを小魚や小動物が自然分解してくれるように。ただこのことが主原因なのかはわからないが、3度目の詰まりだ。6〜7年周期だ。
初回目は、業者を呼んだ。30〜40分の作業で、1万円近くかかったと記憶している。2回目。「自分で出来ないか?」NETで調べ、道具を買いに行った。HOMACで簡単に揃う。上のイラストのもの。3メートルほどのワイヤーの先にスプリングが付いて、手元はドライバーの柄のようなもの。これだけ。どうやったのか記憶してないが、1時間ぐらいの作業で開通したはずだ。
で、3度目。排水パイプの蓋を外し、ワイヤーの先を落として行く。すぐ底についてしまう。横から棒でつつくと軽石大の「油カス」が、2個浮いてきた。「いけるかもしれない!」。
それからが長かった。試しに水を流してみると、全く水が流れていかなくなってしまった。棒でつついて砕けた油カスが横穴に詰まったのだ。直径7cmの穴、1m20cmの底。どうやったって、このフニャフニャのワイヤーで1m20cm下の横穴にスプリングの先を潜り込ませてゴソゴシできるわけがない。でも今日は日曜日。業者も休みだし。
ママは焦りだした。そりゃそうだ。明日までキッチンも洗面もお風呂も使えないのだ。
パパは諦めだした。そりゃそうだ。もう一時間同じことやってるし、暗くなってきたし。寒いし。
ママ:「もう一回やってみよう!」パパ:「ダメだ〜」
ママ:「もう一回やってみよう!」パパ:「ダメだ〜」
パパはちょっと考えた。「細めの塩ビ菅にワイヤーを通して先を少し曲げて底まで下ろしてから横穴方向に導いてやったら入るかもしれんぞ!」
大正解だった。
どんどん横穴の油カスが流れてゆく。開通!快通!
諦めかけた時。どんな仕事でも、デザインでも同じだが、「もうちょっとだけ。考えてみよう。」そのきっかけは、ママの「もう一回だけ。」と、パパの「できるかもしれない。」だ。
翌日、CURUMIの散歩帰りに「どうなっているか?」と裏に回ってみた。排水管の周りに「油カス」が散乱していた。目を離すと、papa家の小動物が油カスを食べていた。笑
追伸:ママがその油カス残りを畑に撒いたら、翌日には全て無くなっていたそうだ。キツネくんも美味しかったのかな?笑
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