2017.11.6 第3話

あいちゃん(長女)の新入学内祝い

「ともだち100人できるかっな〜」って、狭い家の中をスキップしながらあいちゃんが歌ってるのだ。たなか家の長女のあいちゃんが新一年生にご入学なのだ。地元旭川の親戚はもちろんのこと。本家京都や関東から、父方母方のおじさまおばさま方から、お祝いの品、お金がどんどん届くのである。
 
たいへんなことだ。いったいどうしたものだろう。
 
当時パパは、旭川西武の広告制作室に勤務していた。電通からの派遣という形で、プロダクションからの出向だった。北海道には本州にはない「内祝い」という慣習がある。当然、地元密着の旭川西武にもその時期「内祝い〈お返し〉ギフトセンター」なるものが立ち上がっていた。
 
両親に相談すると「大体は〝半返し〟といって、、、???」ギフトセンターで伺っても〝半返し〟が相当だそうだ。で、何をお返しするのか?ーーー店員:「そうですね〜、いま人気なのは石けんとか高級タオルでしょうか?何方にもお使いいただけるように。」パパ:「5万円とかの方もいるんですが、、、」店員:「その辺りですと、羽毛布団とか〜」ーーーあいちゃんのお祝いのお返し=ありがとうの気持が、石けん?タオル?羽毛布団???おっかしくないだろうか。これはちゃんと考えなくちゃダメだな。
 
よし!気持を込めて礼状を作ろう!ポスター的な大判DM礼状を家族の手づくりで!あいちゃんが自分の字でお礼のことばを書こう!
 
早速、仕事でお世話になっているコマーシャルスタジオで撮影した。あいちゃんがランドセル背負い、ちっちゃなユウちゃんと並んで「ありがとう!」ってお辞儀をしている写真。「おいわいありがとう」の文字はピンクで印刷。赤い大きな封筒も型紙作って、切って折って貼って、、、。お礼の品は「常盤町、和菓子むらこしの〝紅白まんじゅう〟!」
 
それらを、どなたにも同じものをお届けした。出来る限りお宅まで伺って、、、。皆さんどのように受け取ってくれただろう。
 
お怒りの電話かと出てみると、皆さまが「すばらしい。」と言ってくれた。
 
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